「寝台列車」は旅をする人にとって特別な旅情感を味わえる魅力があります。
日本だと大雑把に言えばもうサンライズくらいしか残っていませんが、ヨーロッパはまだまだ健在です。
今回私はオーストリア連邦鉄道(ÖBB)のナイトジェット(NJ 420)でドイツのミュンヘンからケルンまで移動しました。
オーストリアの列車なのにドイツ内の移動???なんて思うかもしれませんがヨーロッパではよくあること。この列車はオーストリアのインスブルックを出発し、ドイツのミュンヘン、ケルンと経由してデュッセルドルフまで向かいます(今回は終着駅がケルンだったみたいですが)。
このÖBB Nightjetですが、元々はドイツ国鉄(DB)が走らせていたCity Night Line(CNL)という寝台列車を廃止した際、ÖBBが車両を購入して運用しています。
このNightjetを使うメリットですが私は以下の通り考えています。
- 寝ている間に移動できるため、旅程の効率化
- ICEでの移動+ビジネスホテルで泊まることを考えたらまぁアリかと思える値段設定
- 寝台列車の旅情感
逆にデメリットは
- 揺れる
- ホテルと比べるとスペース狭い
- 夜行ICEと比べると遅い
といったところでしょうか。私のように普段電車の中でも余裕で寝られる人には全く問題はなさそうです。
実は同じような路線を夜行のICEが走っているのですが、それと比べると遅いです。ただ早く着きすぎても…となるので今回は問題はありません。
個人的にはできる限り長く乗りたいという願望もあるのですがw
3つのクラス
ÖBB Nightjetには大まかに3つのクラスが設定されています。
※ここの料金はミュンヘン→ケルン間の話です。時期、路線で変わる可能性もあります。
Seating carriage
いわゆる普通の席です。6人がけのボックスシートなので足元の領地争いにならないよう気をつけたいところ…。欲を言えば反対側に足を伸ばしたい(人が居なければ)。
共用シャワールームは利用できます。
Couchette(クシェット)
基本料金に+20ユーロから
【追加費用】 | 6ベッド | 4ベッド |
クシェット | 20 | 30 |
※単位:ユーロ
いわゆるB寝台ですね。4ベッドと6ベッドが選べます。
グループでの利用、ドミトリー的な用途にはいい感じ。
朝食としてコーヒー/紅茶、ロールパン、バター、ジャムが付き、共用シャワールームも利用できます。
Sleeper cabin(スリーパーキャビン)
基本料金に+40ユーロから
【追加費用】 | 3ベッド | 2ベッド | 1ベッド |
スタンダード | 40 | 60 | 100 |
デラックス | 70 | 90 | 130 |
※単位:ユーロ
Couchette(クシェット)よりも少ない1人~3人までの部屋となります。
1人を選択するとシングルDX的な個室になります。
スタンダードとデラックスの2タイプあり、スタンダードでは洗面所、デラックスでは加えてシャワーとトイレが付いておりシャワー待ちやトイレのために外へ出る必要がありません。
共用シャワーはもちろん使用可能です。
ウェルカムドリンク(ワイン)に加え、沢山ある選択肢から6つ選べる朝食など、値段が高い分サービスも良いです
今回私が利用したのはこのSleeper cabin(スリーパーキャビン)/スタンダード/1人となります。
行き先
すべての列車がオーストリア発、もしくは着というわけではなく、ドイツ ベルリン→スイス チューリッヒ(NJ471)といったオーストリアと全く関係ない列車も設定されています。
予約はÖBBがオススメ
どこで予約すればいいのか…と言えばÖBBが一番おすすめです。
あくまでも私の場合ですがÖBBよりもDBの方が値段が高かったからというのが理由です。
もちろん、どちらのサイトも同じ値段なこともあるのですが、値上がりの傾向はÖBBの方がユルいのかもしれません。
なお、どちらも日本のクレジットカードは使用できますので安心してください。
検索するとき、例えばケルンだとKolnはダメでKölnと記載しないと候補がでてこないので注意
Cheap Train Tickets | Timetables for Germany & Europe – Deutsche Bahn
今回はドイツ内の移動だったため、2社で比較を行いましたが、例えば発着がスイスの場合はSBBでも検索をしてみるなどトライしてみてください。
ÖBBの場合発券後、下記のようなPDFチケットがメールで送られてきます。
今回は3週間前くらいに予約をしてコミコミ139ユーロでした。
乗車券39ユーロ+スリーパーキャビン100ユーロといった感じ。
こちらを印刷した紙を当日持ち込むとスムーズです。
実際に乗ってみた
夜のミュンヘン駅で、今回乗るNJ420を待ちます。
いくら個室でもスタンダードだと2等扱いなのでDBラウンジは使えません。
ドイツのICEはもちろん、フランスのTGVやオーストリアのrailjetなどヨーロッパらしい顔ぶれを見かけます。
しばらくするとNightjet NJ420が入線してきました。
駅にはどの車両がどの位置に到着するか記載がありますので確認します。
今回、私の乗車券には280と記載されていますのでDとCの間あたりへ。
車両の元へいくと、車掌さんが立っていますので、印刷したチケットを渡します(ÖBBのアプリでQRコードを表示してみせたんですが、紙ない??って言われたので)。
この車掌さんが朝食も運んできてくれますし、何かとお世話になります。
通路はあまり広くありません。
Sleeper cabin(スリーパーキャビン) 1人用となります。
部屋そのものは1~3人に対応できる設計ですので柔軟な運用が可能です。
機内持ち込み対応サイズのスーツケースくらいなら持ち込んでも苦になりませんでした。
お世辞にも広いとは言えないですが天井までの距離がある関係もあり窮屈な感じはしません(そりゃ3人対応の部屋を1人で使っているわけですから)。
小さな洗面台が搭載されています。
しれっとりんごジュースやらミネラルウォーターもあります。
また、ACコンセントも搭載しておりスマホなどの充電もできます。
ただ、思ったよりも電流量に制限があり、感覚値ですが約2A(スマホ1~2台程度)を超えると電力供給をストップしてしまいますから注意しましょう。
朝食のオーダーシートです。
この中から好きなものを6つチェックして車掌さんに渡します。
すると夜のうちにオーダーが飛び、途中の駅で必要なメニューを搭載するシステム。
なかなか合理的です。
ウェルカムドリンクで無料スパークリングワインです。
駅でビール買ってる場合じゃなかった。
車両にある共用シャワーです。
1つの車両に2つトイレがあるのですが、片方はシャワー付きです。
お湯は問題なく出ましたし満足!ただ扉が閉まらなくて困りました…。
ウェルカムドリンクで眠くなってしまいウトウトしていたらもう朝でした。
車掌さんがオーダーした朝ごはんを持ってきてくれました。
朝ごはんを食べたら今回の目的地となるケルン着。
だいたい8時ちょっと過ぎですね。
Nightjet素晴らしかったです。ありがとうございました。
また乗りたい!そう思える列車でした。
オマケ:NJ420はケルン観光にも最適
ケルン駅=ケルンの大聖堂といっても過言でないほど近い位置にあります。
また、大聖堂は9時からオープン(※念の為確認推奨)するのでNightjet NJ420を使えばオープンと同時に入ることも可能です。
時間が経てばどんどん団体客が押し寄せてきますので早めに行きましょう。
塔に登る時は荷物を駅で預けることを忘れずに…。
今回のNightjetと同じ寝台車を使ったチェコのプラハからポーランドのワルシャワまで移動できるEuroNightもおすすめです。
こちらは同様にSleeperを1人で使っても料金が1万円程度とお得です。
プラハ – ワルシャワ間を走る夜行列車 EuroNightに乗る
[…] 前回OBB Nightjetに乗った記事は↓ ヨーロッパの走るホテル、OBB Nightjetに乗る […]